研修は組織の成長と競争力を支える大事な要素ですが、準備段階でさまざまな課題が表面化することも少なくありません。特に、以下のような点が障壁となり、予定通りの実施が難しくなるケースがあります。

従業員研修の受講率が上がらない理由とは?
「通知を送っているのに誰も申し込んでくれない…」
「忙しいを理由に後回しにされてしまう…」
情報セキュリティ研修を企画していると、こんな“空回り感”を覚えることってありませんか?
受講率が低いと、研修の効果以前に「伝える機会すら持てない」状態になってしまいます。今回は、なぜ従業員の受講率が上がらないのか、その原因と具体的な解決策を整理してみます。
よくある原因①:研修の優先順位が低い
業務が立て込むと、どうしても「緊急度の低いもの」が後回しにされがち。セキュリティ研修も、「とりあえず置いておこう」となりやすい代表格です。
特に「年に1回」など、頻度が少ない研修は「まあ、あとで受ければいいか」と思われがちで、受講率が伸び悩みます。
よくある原因②:内容が現場の実感とズレている
「またこの話か…」と思われる内容では、やる気は出ませんよね。
たとえば、現場で起こり得るリスクや実際の事例と結びついていないと、「自分ごと」として捉えられず、どうしても他人事に見えてしまいます。
研修内容が抽象的だったり、業務に関係なさそうに見えたりすると、受講のモチベーションは上がりません。
よくある原因③:研修の準備に時間がかかる
「早く作らなきゃ…」と思いつつ、資料作りや内容チェックに追われて、準備が間に合わないことも。
実際には、研修そのものよりも「実施準備」に時間やエネルギーがかかっているケースが多いです。
また、現場での調整や通知・リマインドなど、細かな作業も意外と手間です。「気づけば期日が迫っている」というのはよくある話。

解決策のヒント:まずは仕組み化と小さな改善から
受講率を上げるには、「準備の手間を減らすこと」と「従業員が受けやすくすること」の両面がポイントです。たとえば――
- あらかじめ年度内の研修計画を立てておく
→ スケジュールが確保しやすくなり、告知もスムーズに。 - 汎用的なテンプレートやeラーニングを活用する
→ 資料作りの負担が減って、回数を増やしやすくなる。 - 「現場あるある」や「失敗事例」を盛り込む
→ 受講者の興味をひきやすくなり、離脱率も低下。 - 受講率のデータを可視化する
→ 部署ごとの取り組み状況が見え、フォローのタイミングを逃さない。
小さな見直しでも、受講率には意外と大きな差が出ます。

最後に:受講してもらえないと、何も始まらない
セキュリティ研修は「やること」が目的ではなく、「伝えること」が目的です。
その第一歩が「しっかり受講してもらうこと」。
受講率が低ければ、せっかくの取り組みも実を結びません。
だからこそ、内容や体制をちょっとずつ見直して、「参加したくなる研修」に近づけていきたいですね。
さらに効果的な情報セキュリティ教育を実現したいなら
合同会社Synplanningでは、企業の実情に合わせた研修設計から効果測定、改善提案までトータルサポートを提供しています。研修の費用対効果に不安がある、より戦略的な教育施策を検討したい場合はぜひご相談ください。