毎年、2月1日から3月18日はサイバーセキュリティ月間です。
デジタル化が加速する現代において、サイバー攻撃は巧妙化の一途を辿り、私たちの生活やビジネスを脅かす存在となっています。
サイバーセキュリティ月間は、国民全体のセキュリティ意識向上と対策強化を目的とした取り組みです。この期間中、政府機関や企業、教育機関などが連携し、様々な啓発活動が行われます。
サイバーセキュリティ月間を機に、私たち一人ひとりがセキュリティ意識を高め、安全なデジタルライフを送るための知識と対策を身につけましょう。
はじめに
「また新しいパスワードを設定しなきゃいけないの?」
「あれ、このサービスのパスワードって何だっけ?」
「結局、みんな同じパスワードを使い回しちゃってるよね…」
こんな悩みや愚痴、どこかで聞いたことがありませんか?あるいは、自分自身が感じているかもしれません。
実は、これらの悩みは多くの人が抱えている共通の課題なのです。
2024年の調査によると、日本人の約75%が「パスワードの管理に困っている」と回答しています。その結果、危険とわかっていながらも、多くの人が同じパスワードを複数のサービスで使い回しているのが現状です。
特に注目すべきは、この「使い回し」がもたらすリスクです。例えば、あるSNSサービスでパスワードが流出すると、同じパスワードを使用している他のサービスまでもが危険にさらされることになります。実際に、2024年には大手ECサイトで、この「パスワードの使い回し」が原因と見られる不正ログイン被害が多発しました。
しかし、朗報があります。技術の進歩により、パスワード管理は昔のように面倒なものではなくなってきています。パスワードを安全に管理しながら、なおかつ使い勝手の良い方法が登場しているのです。
この記事では、以下のような疑問に答えていきます:
- 本当に安全なパスワードって、どう作ればいいの?
- パスワード管理ツールって、実際どう使えばいいの?
- 二要素認証って、面倒じゃないの?

最新のパスワード管理トレンド
パスワード管理の方法は、ここ数年で大きく進化しています。「覚えることが難しい」「入力が面倒」といった従来の悩みを解決する、新しい方法が次々と登場しているのです。
指紋認証・顔認証の進化
スマートフォンでおなじみの指紋認証や顔認証。最近では、パソコンやタブレットでも当たり前のように使えるようになってきました。具体的な変化としては以下の通りです。
- スマートフォンでの決済も指紋や顔で認証
- パソコンへのログインも生体認証で簡単に
- オンラインバンキングでも生体認証に対応
パスワード管理ツールの進化
パスワード管理ツールも、より使いやすく、より安全になっています。
最近のツールでできること
- 強力なパスワードを自動生成
- 異なるデバイス間で安全に同期
- 怪しいサイトへのログインを警告
パスワードレス認証という新しい流れ
「パスワード不要の時代」も、すぐそこまで来ています。
具体的な例は以下の通りです。皆さんにも使っているものがあるのではないでしょうか。
- メールやSMSに届くコードでログイン
- スマートフォンへの通知で認証
- セキュリティキーを使った認証
実践的な管理方法
ここからは、実際に明日から始められる、具体的なパスワード管理の方法をご紹介します。
安全なパスワードの作り方
「複雑なパスワードは覚えられない」というのは、多くの人の悩みです。でも、実は安全で覚えやすいパスワードの作り方があります。
覚えやすく、安全なパスワードを作るコツ
悪い例
- password123(単純すぎる)
- tanaka1234(名前と数字の組み合わせ)
- qwerty(キーボード配列)
良い例:
- 好きな歌詞の頭文字を使う 「上を向いて歩こう、涙がこぼれないように」
→Umuapnkn2023!
- 思い出の場所と日付を組み合わせる 「富士山に2023年5月に行った」
→Fujisan_2023may!
このように、自分にとって意味のある言葉を基に作ると、覚えやすく、かつ安全なパスワードができます。
パスワード管理ツールの活用
パスワード管理ツールは、最初の設定こそ少し手間がかかりますが、使い始めると驚くほど便利です。
おすすめの使い方
1.まずは無料版から始める
- 基本的な機能を試してみる
- 使い方に慣れる
- 自分に合っているか確認
2.段階的に移行する
- よく使うサービスから始める
- 週末などの時間のある時に少しずつ
- 古いパスワードは順次変更
ある主婦の方は、「最初は難しそうで躊躇していたけど、子供のスマホの設定を機に使い始めたら、家族全員で便利に使えるようになった」と話します。
二要素認証のスマートな使い方
「面倒くさい」と敬遠されがちな二要素認証ですが、実は上手く使えばそれほど手間はかかりません。
便利な設定方法
- よく使うデバイスは「信頼できる端末」として登録
- 認証アプリを使えば、SMSを待つ必要なし
- スマートフォンの生体認証と組み合わせる

具体的な移行手順
「パスワード管理を見直したい」と思っても、いきなり全部変えるのは大変です。ここでは、無理なく始められる段階的な方法をご紹介します。
まずは現状チェック
引っ越しの時と同じように、まずは「棚卸し」から始めましょう。
チェックポイント
- 普段使っているサービスの一覧を作る
- 重要度で分類する(銀行、メール、SNSなど)
- 同じパスワードを使い回していないか確認
週末を使った移行計画
すべてを一度に変更するのではなく、重要なものから順番に。土曜日の午前中など、時間に余裕のある時に少しずつ進めましょう。
1週目:最重要アカウント
- メインのメールアドレス
- オンラインバンキング
- クレジットカード関連
2週目:重要なサービス
- SNSアカウント
- オンラインショッピング
- クラウドストレージ
3週目以降:その他のサービス
- ニュースサイト
- ポイントサービス
- ゲームアカウント
「週末にドラマを見ながら、少しずつパスワードを変更していきました」という主婦の方も。無理なく、自分のペースで進めることが大切です。

まとめ
パスワード管理の見直しは、デジタル生活の安全性を高める大切な一歩です。最後に、継続的に安全を保つためのポイントをまとめていきましょう。
すぐにできる3つの改善
明日からでも始められる、簡単な改善策があります。
例1)スマートフォンの見直し
- パスワード管理アプリをダウンロード
- 生体認証の設定を見直す
- 自動ログインの設定を確認
例2)重要アカウントの確認 毎日使うものから優先的に
- メールアカウントのパスワードを変更
- 二要素認証の設定
- 緊急連絡先の更新
続けるためのコツ
「三日坊主で終わらせない」ための工夫をご紹介します。
- カレンダーにチェックの日を設定
- 家族や友人と一緒に始める
- 小さな目標から始める
自分の生活リズムに合わせた方法を見つけることが大切です。
最後に大切なこと
パスワード管理は、完璧を目指す必要はありません。少しずつでも、着実に改善を重ねていくことが大切です。
今回ご紹介した方法の中から、自分に合ったものを選んで始めてみてください。はじめは少し面倒に感じるかもしれませんが、慣れてくれば、それほど手間はかからなくなります。
デジタル社会では、パスワード管理は自分と大切な情報を守る「保険」のようなものです。この機会に、ぜひ見直してみてはいかがでしょうか。
困ったときは、この記事に戻ってきて、必要な部分を参考にしてください。皆さんの安全なデジタルライフのお役に立てれば幸いです。
サイバーセキュリティ月間を機に社内のセキュリティ対策を見直したいけど、どこから手をつければいいのか…という方はぜひ、Synplanningにご相談ください。
事業規模や内容、社内の環境にあったご提案をいたします。