パスワードが破られるとどうなる?

パスワードが漏洩すると、企業や個人の情報が外部に流出し、金銭的被害や信用失墜につながります。
最近の攻撃は巧妙化しており、管理が甘いパスワードは即座に狙われます
本章では、パスワード漏洩のリスクと被害事例を整理します。

実際の被害事例

企業や個人のアカウントが乗っ取られると、情報漏洩や金銭被害につながるケースがあります。
例えば、中小企業で顧客情報が流出した結果、損害賠償や信用失墜につながった事例も報告されています。
最近では、クラウドサービスの認証情報が流出し、外部からの不正アクセス被害も増加しています。

二次被害につながる仕組み

漏洩したパスワードが他サービスでも使われている場合、被害は一つのアカウントだけに留まりません。
攻撃者は同じパスワードを使って、メール、クラウドストレージ、社内システムなど複数のサービスに侵入するリスクがあります。

パスワードの解読時間比較

パスワード例文字種文字数推定解読時間(総当たり)
123456数字のみ6文字数秒
password英字のみ8文字数分
Abc123!@英数字記号8文字数時間
G7h!9kLpR2英数字記号10文字数十年
I❤️Tokyo2025!フレーズ型+記号15文字数百年
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本当に安全なパスワードとは?管理ツールの使い方って?など、パスワードにまつわる新常識を徹底解説。

安全なパスワードの条件

強いパスワードを作るためには、避けるべき文字列や推奨される作り方を理解することが重要です。本章では、安全なパスワードの条件を具体的に解説します。

避けるべきパスワード例

パスワードは、簡単に推測されるものや総当たり攻撃で破られやすいものは避ける必要があります。大きく分けると以下の3種類です。

  • 誕生日や名前など個人情報
    例:19900101TaroYamadaPochi
    → 個人情報は公開されやすく、推測されやすいです。
  • 単純な文字列や連番
    例:123456111111passwordqwerty
    → 総当たり攻撃で瞬時に破られる可能性があります。
  • 辞書に載っている単語やキーボード配列パターン
    例:applesoccerasdfghzxcvbnm
    → 辞書攻撃に弱く、推測されやすいです。

推奨される作り方

安全なパスワードを作るには、複雑さと覚えやすさのバランスが大切です。主に次の2種類があります。

  • ランダム生成型パスワード
    例:G7h!9kLpR2vT#3mQ9zX!
    → 英数字と記号を組み合わせたランダムな文字列は解読が非常に難しく、総当たり攻撃にも強いです。
    → パスワード管理ツールと併用すると覚える負担も軽減できます。
  • フレーズ型パスワード(覚えやすいフレーズ+記号)
    例:I❤️Tokyo2025!CoffeeAndWork#42
    → 覚えやすい文章やフレーズに記号や数字を加えることで、複雑さと記憶しやすさを両立できます。
    → 長めに作ることで解読時間を飛躍的に伸ばせます。
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パスワード管理のポイント

パスワードを作るだけでは不十分です。安全に管理し、紛失や盗難のリスクを防ぐ方法も必要です。本章では、管理ツールや保存方法の注意点を紹介します。

管理ツールの活用

パスワード管理ツールを活用することで、複雑で安全なパスワードを簡単に生成・保存・管理できます。
主な利点は以下の通りです。

  • 複雑なパスワードを自動生成できる
    ツールは英数字・記号を組み合わせたランダムパスワードを生成します。これにより総当たり攻撃に強いパスワードが簡単に作れます。
  • 一元管理で使い回しを防ぐ
    複数のアカウントごとに異なるパスワードを管理できるため、使い回しによる二次被害のリスクを減らせます。
  • アクセスも安全
    パスワードは暗号化された状態で保存され、マスターパスワードや生体認証で保護されます。端末間で同期も可能なので、テレワーク環境でも便利です。
  • 定期的な更新や監査がしやすい
    管理ツールにはパスワードの有効期限や強度チェック機能があるものもあり、社内ルールに沿った定期的な見直しも簡単に実施できます。
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紙やブラウザ保存は危険?

パスワードを紙に書いたりブラウザに保存したりすると、無防備な状態だと盗まれるリスクがあります。しかし、適切に管理すれば紙での保存も有効です。

  • 紙で管理する場合
    鍵のかかるキャビネットに保管し、退勤時には確実に施錠することで、社内外からの盗難リスクを減らせます。
    メリットは、マスターパスワードを忘れる心配がなく、システムに依存しない点です。
  • ブラウザ保存の場合
    自動入力の利便性は高いですが、端末が盗まれたりマルウェアに感染すると危険です。必ず端末の画面ロックやウイルス対策と併用しましょう。

管理ツールが最も安全ですが、紙で管理する場合も条件を守れば十分に活用可能です。

二段階認証と定期更新

パスワードだけでは攻撃を防げない時代です。二段階認証を導入することで、万が一漏洩してもアカウントを守ることができます。本章では設定方法と定期更新の重要性を解説します。

二段階認証とは?

二段階認証(2FA)は、パスワードに加えてもう一つの認証要素を求める仕組みです。スマートフォンの認証アプリやSMSで送られるワンタイムコードなどを使用することで、万が一パスワードが漏洩しても不正アクセスを防ぐことができます。
二段階認証(2FA)を設定すると、パスワード漏洩時のリスクを低減できます。

  • メールやSMSでの確認コード
  • 認証アプリ(Google Authenticator、Authyなど)
  • ハードウェアトークン

さらに定期更新も有効です。年1~2回更新するだけで漏洩リスクを減らせます。

🔗 多要素認証(MFA)とは?なぜパスワードだけでは危ないのか

多要素認証とパスワードを使って、これまでより安全な環境作りを目指しましょう。

社内で取り組むパスワード運用

個人任せではなく、社内全体でパスワード管理を徹底することが重要です。本章では、社内規程やルールの具体例を紹介します。

社内規程の具体例

  • 最低文字数:8文字以上、できれば12文字以上
  • 文字種の混在:大文字・小文字・数字・記号
  • 管理ツールの義務化
  • 二段階認証の必須化

規程と教育をセットで運用することが重要です。

🔗 セキュリティ規約が実行されない?課題と対策を徹底解説

せっかく決めたセキュリティ規約が守られない…。規約が形骸化してしまうと起こりがちなリスクについて徹底解説しました。

今日からできるパスワード改善アクション

今日からできる小さな改善でも、社内全体のセキュリティは大きく向上します。本章ではすぐに実践できるアクションを具体的に紹介します。

  • パスワードの使い回しをやめる
    同じパスワードを複数のサービスで使うと、1つのサービスが攻撃されただけで他のアカウントも危険にさらされます。サービスごとに固有のパスワードを設定することが重要です。
  • 二段階認証(2FA)を設定
    パスワードが漏洩した場合でも、追加の認証手段(SMS、認証アプリ、ハードウェアトークンなど)があれば不正アクセスを防げます。特に重要なアカウントには必ず設定しましょう。
  • パスワード管理ツールを導入
    複雑で長いパスワードを安全に管理できるため、使い回しや記憶の負担を減らせます。社内で統一した管理方針と組み合わせるとより安全です。
  • 定期的にパスワードを見直す
    長期間同じパスワードを使い続けると、漏洩や総当たり攻撃のリスクが高まります。半年~1年ごとに見直し、必要に応じて変更しましょう。
  • フレーズ型パスワードを作る
    覚えやすい文章やフレーズに記号や数字を組み合わせることで、長く複雑なパスワードを作れます。例:I❤️Tokyo2025!。覚えやすく、解読されにくい点が特徴です。
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今やスタンダードな働き方となった「テレワーク」。しかし、そこには新たなセキュリティの課題も潜んでいます。

まとめ

安全なパスワードの作り方や管理方法を理解することは、情報漏洩や不正アクセスのリスクを大きく下げる第一歩です。

本記事で紹介したポイントを振り返ると、まずは単純な文字列や誕生日、名前などの分かりやすいパスワードを避けることが基本です。その上で、ランダム生成型やフレーズ型のパスワードを使い、パスワード管理ツールで安全に管理することで、複雑さと利便性を両立できます。

さらに、二段階認証の設定や定期的なパスワード更新使い回しの禁止といった日常的な運用も重要です。社内では、最低文字数や文字種の規程を定め、管理ツールの利用を徹底することで、組織全体のセキュリティレベルを高められます。

今日からできるアクションは小さくても、積み重ねることで大きな効果があります。まずは一つでも改善策を実行することが、社内の安全性を守る大きな一歩です。

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