クラウドが当たり前の時代、だからこそ必要な“見直し”
クラウドサービスの導入は、今や企業の規模や業種を問わず当たり前になりました。
利便性やコストメリットから導入が進む一方で、「クラウドだから安全」という誤解がトラブルを招くケースも少なくありません。
実際には、初期設定のまま運用されていたり、利用範囲が拡大したのに管理体制が追いついていないなどの課題を抱える企業も多いのが現状です。
便利なツールだからこそ、基本的な“守り”の見直しが求められています。
よくある“落とし穴”と実際にあったトラブル
● 設定ミスによる情報公開
クラウドの設定ミスで、意図せず情報がインターネット上に公開されていた例は後を絶ちません。
以下のような事例があります。
- Amazon S3バケットのアクセス設定が「全公開」になっていた
- 社内資料をGoogleドライブで共有したが、リンクが拡散されて外部からも閲覧可能に
いずれも「手軽に共有できる」という利点の裏返しで、設定を誤ると社外に漏れるリスクがあることを物語っています。
● 権限設定の甘さ
社内で共通のアカウントを使い回したり、管理者権限を持つユーザーが多すぎたりすると、「誰が何をしたか」が追えなくなる問題が起こります。
ログ管理をしていても、アカウントが共有されていれば意味がありません。
特に外部委託先のアクセス権限管理は要注意です。
● 責任分界の誤解
クラウドサービスでは、「どこまでをベンダーが守り、どこからが利用者の責任か」を明確に理解しておく必要があります。
たとえばSaaSの場合、データの保護やアカウント管理は利用者側の責任です。「クラウドが守ってくれるから」と思い込んで放置していると、想定外の漏えいリスクが発生します。
リスクを減らすために見直したいポイント
✅ 初期設定のままになっていないか
特にアクセス制限や共有設定は最初のまま放置されがちです。
✅ アクセス権限は「最小限」になっているか
必要以上の権限を与えず、業務範囲に応じた権限設定を行いましょう。
✅ ログ取得・監視ができているか
問題が起きた際に追跡できるよう、ログを取得・保管し、異常を検知できる体制整備が重要です。
✅ 運用ルールが属人化していないか
特定の人しか設定変更できない、ノウハウが個人に偏っていると属人化が進み、対応の遅れや判断ミスに繋がります。
トラブルを防ぐためのちょっとした備え
- ファイル共有リンクは「社外からアクセス不可」が基本
- 試験的に使ったクラウドアプリや外部サービスの棚卸し
- 権限設定や管理者操作には、二重チェックを取り入れる
- クラウドの利用状況を定期的にレビューする場を設ける
こうしたちょっとした見直しが、大きな事故を防ぐきっかけになります。
まとめ:クラウドを「使いこなす」には、基本の見直しが近道
クラウドはとても便利な仕組みですが、「簡単に使える」反面、設定ミスや運用の抜け漏れがそのままリスクになるという側面があります。
特に、クラウド利用が当たり前になった今こそ、「うちは大丈夫?」と一度立ち止まって点検してみることが、リスク低減の第一歩です。
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